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Jack in the Box

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Open Panoramaスープカレーとアイリッシュ音楽の店「Jack in the Box」である。ジャックは、この地で20年近く営業を続けて来たが、建物の老朽化に伴い移転となった。移転前の8月中旬、店主でありボタン・アコーディオン奏者の高倉雄造さんを訪ねお話を伺った。

お店は、札幌市東区北16条東1丁目のコーダ荘という木造二階建アパートの一階正面に在る。かなりの年季が入った建物ではあるが、建物正面に、ちょっぴり誇らしげに掲げられた「コーダ荘」の文字が妙にモダンを感じさせる。

ジャックは、もともとアイリッシュ音楽グループ「Hard to Find」のハンマーダルシマー奏者、小松崎健さんが造ったお店である。その健さんが音楽家としての仕事が忙しくなり、店を畳もうと考えていた時、音楽仲間の後輩である高倉さんが引き継ぐことを決心した。

コーダ荘

コーダ荘

高倉さんのその時の心境は「自分の居場所が無くなってしまう」だったそうだ。そして、健さんからスープカレーの仕込みを習い、1998年、二代目店主となったのである。

私自身、良い客とは言えず、あまり足を運ばないのであるが、たまにライブを聴きに行くと、この狭い空間にこんなに入っちゃうのか?と言うほど人口密度が高くなる。

そして演奏が進むにつれ室内の熱気も上昇し、真冬と言えどもアツイのである。そんな中、ふっと高倉さんを見ると、寡黙にというか、淡々とお仕事をしている。そのギャップがとても微笑ましく、この店のイイ味となっている、と思うのである。

高倉雄造

高倉雄造

そんな高倉さんの生真面目さは、彼の奏でる音楽にも表れているように思える。そう言えば、コーダ荘の最後の片付けを終え、シンミリしたと彼のブログに書き込まれていたが、それを読み、高倉さんの表情が直ぐに浮かんできたのも、そんな彼の人間性からかもしれない。

私が東京から札幌に引っ越してもうすぐ5年が経つ。札幌に来て良かった点、それは音楽環境だと思う。もちろん、東京には人気の音楽が溢れている。しかし、その音楽を聴く場は、大きな会場のある中央になってしまう。私の住んでいた西の外れの小さな街周辺で、気軽に音楽を楽しめる場所は、ほぼ無かったように思う。私みたいに、エレキギターならアンプからのダイレクトな音と風圧?を感じたい、と言う人間にとって、小さな会場で、気軽に音楽を楽しめる環境は、嬉しい限りだ。

ボタンアコーディオン

ボタンアコーディオン

そう言えば、
何かの記事で読んだのだが、ドラマーの林立夫氏が、札幌には音楽が熱かった70年代の雰囲気?がある、というようなことを、どこかで書かれていたと思う、確か。なにか海峡を挟み違った音楽文化が、札幌、北海道には根付いているように感じる。その中で、ここジャック・イン・ザ・ボックス、そして、小松崎健さんの「Hard To Find」を中心とした音楽コミュニティがキラリっとシブイ光を放っているのである。ちなみに、小松崎健さんと高倉雄造さんのユニット名は、高倉健。オヤジ魂も忘れていない。

【新 Jack in the Box】
住所:札幌市北区北11条西1丁目23-1
電話:011-736-7736
営業時間:11時〜15時(ランチ)、17時〜21時30分
木曜日の夜は、音楽ライブをしています。
月末の木曜日は、定休日です。
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