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PANORAMA
札幌映像機材博物館(山本敏館長)

札幌映像機材博物館

PANORAMA, people, retro

203

Open Panorama札幌市白石区にあるビデオやフィルムのアナログ映像機材を展示している博物館である。館長は長年映像制作に携わったカメラマンの山本敏さん。

メカニックが好きで在職中から自宅の一部屋に貯めていた映像機材が満杯になり通路まで埋め尽くすことに。しかも重い機材ばかりで、これじゃ床抜けないか?と心配な事態になっていた。退職後、ふるさとの登別にある閉鎖されていたパチンコ店を友人たちと共に造作含め約3ヶ月かけて改装し、2015年、登別映像機材博物館を開館した。そして、その7年後の2022年6月、札幌で閉館した写真博物館と縁があり、当初より希望のあった札幌へ移転が実現した。

手回し式フィルム映写機

手回し式フィルム映写機

館内には珍しいイギリス製(1910年頃、光源は後に改造されたものらしい)手回し式フィルム映写機やスティーンベック製フィルム編集機等が所狭しと並んでいて見応え十分。懐かしい8mmカメラも山積み状態であった。また、大きな機材としては人乗り用クレーンがあり、館長曰く「ちょっと畑の真ん中で、なんてことがあれば、それはもう大変なことで特機部5、6人が汗拭きながら何回も往復しての撮影で…」とかなり大掛かりな撮影だったようだ。

今まで博物館をやっていて特に記憶に残るエピソードはありますか?とお聞きすると「そういえば、何かこの機材欲しいなぁと思っていると不思議と手に入るんですよ、別に手を回してる訳じゃぁなんですけど(笑。FUJICA ZC1000って8mmを撮っている人の憧れの機種なんですけど、それを頂いたんですよ、しかも、箱入りの新品のままで」

この館の大きな特徴は、ほとんどの機材が動作し直接手にとり触ることが出来ることであり、おまけに入場無料である。

舘の公式サイトには、

「映像機材博物館」は我々が今まで現場で使用してきたビデオ放送機材やフィルム機材を俯瞰し、その変遷の躯体をもって動態保存展示するものです。
映像ソフトが時代の文化だとするなら、それを生み出したハード機器(撮影機材や再生機材、編集機材、音声機材)もまた文化遺産だと考えます。

と書かれている。

喫茶 朱音珈琲

喫茶 朱音珈琲

確かに、成果物としてのソフト(映像)のアーカイブ化は比較的耳にするが、その制作過程でのハード(機材)についての保存はあまり進んでいないのでは?と感じる。その意味では、とても貴重な博物館ではないだろうか。

館内には、喫茶店「朱音珈琲」(店主 時田朱子さん)が併設されていて、コーヒーブレイクをとりつつ館内をゆったり見学することも出来る。また、16mmフィルムの上映会やライブ演奏等のイベントも時々開かれているようだ。NHKが標準モニターとして使用していたダイアトーンスピーカーから流れるBGMも心地よくマニアはもちろん子ども連れの家族でも楽しめるスペースだと思う。

尚、手回し式フィルム映写機やスティーンベック製フィルム編集機はパノラマ内に動画として埋め込まれている。上記の360°PANORAMアイコンから入ると見ることが出来る。

[札幌映像機材博物館]
場所:札幌市白石区平和通2丁目南1-6
撮影:2023年04月28日
機材:Canon EOS R + EF8-15mm F4 L Fisheye@15mm + Nodal Ninja 4
アプリ:Lightroom, Photo Shop, PTGui Pro

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