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旧住友赤平炭鉱立坑

旧住友赤平炭鉱(赤平アートプロジェクト)

Open Panorama北海道の中央部に近い赤平市。札幌から高速を使えば車で約1時間半ほどの距離にある緑豊かな街である。現在の人口は約1万人ほどであるが、炭鉱で栄えた昭和20年代後半には6万人ほどが暮らしていたそうだ。その街のシンボル的存在が旧住友赤平炭鉱の立坑やぐら(昭和38年〜平成6年)である。

紅葉も深まる10月初旬(2017年10月7、8日)、ここで開催されていた赤平アートプロジェクト(主催:赤平アートプロジェクト実行委員会)に行ってきた。「アートの力で施設存続と地域再生を目指す」このプロジェクトは、以前よりNPO法人炭鉱の記憶推進事業団と札幌市立大学が空知地方を中心に開催しているイベントで、私自身、過去に旧北炭清水沢火力発電所、旧奔別炭鉱を体験しているので、今回で三度目の炭鉱アート体験?となる。

以前の施設もその規模の大きさに驚かされたのだが、今回は驚きというよりもむしろその鉄骨や機械類の重厚さに圧倒される感じであった。当初、一日だけの予定が元炭鉱マンで赤平コミュニティガイドクラブ“TANtan”の代表 三上秀雄さんや赤平市の井上博登さんは計らいで二日間たっぷりと、鉄道ファン的に言う鉄分補給と言うより、鉄分浴びた(笑)と言うのが実感である。これも元はと言えば三上さんや井上さんを紹介していただいた炭鉱の記憶推進事業団や札幌市立大学の上遠野先生のおかげであり、感謝である。

初日はまず立坑のガイドツアーに参加した。ここ旧住友赤平炭鉱立坑は昭和34から38年のかけて約20億円の設備投資をして建てられた。立坑の最深部は835m(海抜770m)。最盛期の生産量は約200万トン(年間)、鉱員3,600人、職員720人が働いていた。坑内は真冬でも室温20〜25度、粉塵防止の為、水を撒くので湿度は85〜90%にもなったこと…などなど、三上さんの実体験等、興味深い話を聞くことが出来た。

Open Panorama立坑のツアーの後は、地下通路で繋がった炭鉱坑口浴場へ。印象的だったのはだだっ広い更衣室の天井からワイヤーで吊るされている鳥かごのような衣類かご。鍵の掛かったフックを外しカゴを下げ衣類等を入れて又、天井に吊るす。多くの鉱員の衣類等を管理するためのアイデアだったのだろう、想像すると、炭塵で真っ黒になった鉱員たちの会話や衣類カゴがガチャガチャぶつかり合う音が聞こえてくるようである。

今回のテーマである「アートプロジェクト」の展示はここ坑口浴場を中心に行われていた。もっとも印象的だったのは立坑やぐらの上に付いていたネオン看板を再現した「ネオン再見:赤平」(上遠野 敏)。なにかSF映画のセットにでも迷い込んだような感覚であった。と言う感じで一日目はあっという間に終わってしまった。

二日目は朝から立坑を中心に撮影。シーンと静まり返った立坑内には微かに水の滴る音が聞こえるだけで、自身の足音が妙に響き渡る。重厚な鉄骨に囲まれた立坑々口正面に立つと上方の窓から差し込む光がとても眩しく、そこから地下に広がっている深い暗闇への想像がより一層膨らんでいく。そう言えば、前日のガイドツアーで三上さんが話していたが、8時間の地下勤務から上がってきた時の太陽の眩しさと言ったら…。そんなことを思い出し、今度は立坑々口を背にすると、地下から18人乗りの狭いケージ(エレベーター)に揺られ降り立った人々のホットしたため息が聞こえるようであった。

Open Panorama今回の展示では、立坑以外にも自走式枠整備工場で採炭で使われた重機類も見ることが出来た。自走枠とは切羽(採炭現場)の天井が崩れないようにするための支えのことで、大量掘削するためにつくられた大型機械。普段目にすることのない重機を目の当たりにして、出口で思わず「やー、サンダーバードみたいですね」っと言ったら、スタッフの植村さんが微笑んでくれたのだが….。今考えると、若者に伝える例えとしては如何なものか?かなり化石的な表現になってしまった(笑

【サイト内関連情報】
奔別アートプロジェクト(旧住友奔別炭鉱)
夕張清水沢アートプロジェクト(旧北炭清水沢火力発電所)
北炭幌内炭鉱変電所

[旧住友赤平炭鉱]
場所:北海道赤平市赤平
撮影:2017年10月7、8日
機材:Canon EOS 6D + EF40mm F2.8 + Nodal Ninja 4, Canon EOS 6D + EF8-15mm F4 L Fisheye@15mm + Nodal Ninja 4, Canon EOS M3 + Samyang 7.5mm + Nodal Ninja RS-1
アプリ:Lightroom, Photo Shop, PTGui Pro, Pano2VR

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