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割烹酔月

割烹酔月

Open Panoramaお盆間近の8月11日、岩見沢市にある老舗割烹料理店「酔月」の旧店舗のお別れ会に行ってきた。解体前の最後のお披露目である。

酔月は、割烹料理水月の名で明治時代に小樽で創業。その後、札幌での寿司店を経て、この地、岩見沢で大正3年 小料理屋「酔月亭」として開店した。建物は昭和8年に建てられ、その後、増改築を重ね現在に至っている。

会では建物の見学会の他、チェロ奏者の土田英順さんのコンサート、酔月二代目店主 原保昌さん、まち文化研究家 塚田敏信さんのトークショーも行われ、酔月の歴史を振り返り、名残りを惜しんだ。

割烹酔月の看板

割烹酔月の看板

当日はちょっと早めに訪れ、ゆっくり建物を見学させてもらった。この建物での営業が終了して既に一年近く経つ為か、所々に傷み等が見られる。しかし、格天井等、その造りを観ると当時の華やかさが容易に想像できた。

岩見沢は、古くから炭鉱エリアの交通の要衝として栄えた街である。そして、その中心部に位置する酔月も、炭鉱関連の企業の接待や宴会で賑わった店である。

店主 原保昌さん曰く「昭和20年後半には、お店に専属の芸者を置きました。その前は岩見沢にも見番(置屋)がありました」また、幼少の頃の思い出として「大広間で模型飛行機を飛ばして遊びました。舞台から離すと、丁度、床の間まで行ってゴムがなくなる、そんな感じで…。屋根では凧揚げをしましたが、消防署の木の櫓は、うちの屋根より低かったです」などなど、そのころの岩見沢で酔月がいかに大きな存在であったかが、うかがえる話であった。

二代目店主 原保昌さん

二代目店主 原保昌さん

魅力的な街って何だ?このような現場に立つといつも考えさせられる。自分の巡った街を思い起こして考えてみると、歴史が息づいている街が多い。ローマは一日に…では無いが、やはり、歴史の年輪が街に魅力を与えていると思う。

だからといって、古い建物を全て残せというのも現実的ではない。しかし、少なくとも街の歴史を感じる建物は、その在りし日を感じ取れる何か?を残して欲しいと思うのである。在りし日を感じ取れる足あと。それは、道端に残った門柱の一部や庭石でもいいのかもしれない。その積み重ねが、魅力的な街につながるのではないだろうか。市民が散歩の途中、何気なく見かけるその痕跡が街の記憶を呼び起こし、そして、愛着へと繋がるはずだ、きっと。
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