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小樽・旧寿原邸

小樽・旧寿原邸

Open Panorama

この夏、小樽の水天宮に近い高台に建つ旧寿原邸を訪ねました。かつては北のウォール街と呼ばれた小樽。建物は小樽で最初の衆議院議員で小豆将軍と呼ばれた雑穀商高橋直治(1856〜1926年)氏により大正元年(1912年)に建てられました。後に寿原外吉氏に所有が代わり、1986年に同家より小樽市に寄贈され、小樽市歴史的建造物に指定されました。

邸内資料によると、
『寿原外吉翁(1901〜1985年)は、小樽のみならず本道産業経済界の功労者として著名。公職として、札幌証券取引所理事長(1951〜1965年)、小樽商工会議所会頭(1955〜1965年)を努める。その他北海道銀行、北海道ガス、北海道アサヒビール等の社外役員としても活躍。特に旭硝子の販売を通して硝子事業へ注いだ情熱と実績で全国に知られるところとなりました。』

応接間には写真家、画家、彫刻家でもあったマン・レイ(1890〜1976年)の美しいブロンズがさりげなく飾られいます。また花の模様が施されたピアノも年代物のようです。調べてみると、メーカーはCarl Ecke Berlinと思われます。外吉氏はこのソファに座り、子どもや孫?のピアノの演奏を聴きながら窓からの眺めを楽しんでいたのかもしれませんね。

台所で目を引いたのは作り付けの棚と硝子です。そういえばこういう硝子は見かけなくなりました。調べてみると、日本板硝子が昭和の初期に量産した「モール硝子」という名の硝子に似ています。寿原外吉氏は旭硝子に深い関わりがあった方でしたので、後に作られた旭硝子製の「ヒシモール」であるかもしれません。隣の部屋との境の引き戸上部の模様は「からたち」と思われます。ガラスの模様には、風流な名前がついているのですね。

この屋敷は傾斜地に三つの棟が段違いに建てられており、上段に広い和室、中段に応接室、給湯室、下段に玄関、勝手口、複数の和室、台所、倉などがあります。今でも人が暮らしているような雰囲気を漂わせている邸宅でした。

住所:小樽市東雲町8番1号
庭面積:約748m2
開放期間:毎年4月下旬〜10月初旬までの土曜、日曜、祝日のみ(2007年現在)
入場料:無料

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