1. HOME
  2. PANORAMA
  3. architecture
  4. 円山時逍館・平尾稔幸
architecture
円山時逍館・平尾稔幸

円山時逍館・平尾稔幸

architecture, PANORAMA, people, retro

358

Open Panorama2013年の春、高校生のお供で札幌の古民家を巡る機会があった。中島公園からスタートして、中央区を中心に数箇所、見学した後、円山にある昭和初期の建物、通称「円山時逍館」を訪ねた。

この円山時逍館(札幌市中央区南5条西21丁目1-5)は建築家 平尾稔幸氏がアトリエ兼自宅として使用していた建物である。訪ねた時、丁度、引越の為の作業の真っ最中であった。今考えると、忙しい最中、何度も作業を中断させ、さぞ迷惑な客だったろう ^^; 突然の撮影のお願いにもニッコリと笑顔で対応してくれた平尾さん、有難うございました。

時逍館の”逍”は辞書で引くと「さまよう」と言う意味らしい。建物に刻まれた時の記憶とともに彷徨う?そんな空間なのだろう、とても穏やかな空気を感じた。そんな建築家 平尾さんの設計する建物にとても興味を覚えつつも、ひとまず、その場を後にした。

後日、時逍館について詳しく伺うため円山にある平尾さんの新しい事務所を訪ねた。

円山時逍館は、
・昭和5年に旧拓殖銀行の財務課長さんが建てた私邸である。
・庭にある黒松、赤松は本州から持ってきたものである。
・戦後(昭和20年)、網走の網元さんが購入した。
・平成元年から平成25年までの25年間、平尾建築事務所として使用。

余談ではあるが、女中部屋に霊が出ると言う噂もあったらしい ^^;

その後、平尾さんとは何度かお会いし、お話を聴く機会があった。話の中で氏の設計した自邸「サイレントキャビン」がとても印象的であった。1999年、日本建築家協会住宅部会ハルニレ賞を受賞した住宅であるが、住宅建築2000年10月号には「風を孕んで旅する移動体」のタイトルで紹介されているようだ。その姿は、駅のプラットフォームで、今まさに旅立ちを待つ客車のよう。なんちゃって鉄ちゃんとしては、是非、乗車してみたい建築なのである。(2013年4月14日撮影)

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

PickUp