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小樽「小町湯温泉」

小樽「小町湯温泉」と「三〼河本そば屋」

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Open Panorama小樽の信香町に在る小町湯温泉は創業明治10年代と北海道では現役最古の銭湯である。明治33年(1900)、代表の河本久美子さんの曽祖父である河本徳松さんが上坂家から小町湯を買い取り河本家による営業が始められた。

建物は昭和7年(1932)に建て替えられたもので、建物正面上部のアールを帯びた形状、建物内部では天井(ペンダント照明根本)の装飾(シーリングメダリオン)、番台下にある下駄箱、間仕切りドアの型板ガラス等、昭和のノスタルジーを強く感じさせてくれる銭湯である。

泉質はナトリウム硫酸塩炭酸水素塩泉、効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩などである。近年は近所にある同じく河本家が経営していた三〼河本そば屋(現在は移築)の敷地内の地下1,000m以上から温度64度以上でより良質な源泉が見つかり、わざわざそこからトラックで運び込んでいたそうだ。

久美子さんに銭湯での思い出に残るエピソードをお聞きした。昔は、体を洗わないで湯船に入ったり、湯船で手拭いを洗うようなマナーの悪いお客さんを怒ってくれる常連客が居たが、今は、そのような人も居らず、マナーは低下し、最近ではコロナワクチン摂取後の絆創膏が湯船にから沢山出てくる状態だったそうだ。

脱衣所の三〼そば屋の写真

脱衣所の三〼そば屋の写真

また、2018年の地震(北海道胆振東部)では長時間の停電(ブラックアウト)が発生したが、幸い、このエリアは直ぐに復旧。復旧の遅れた周辺の地域から大勢のお客さんが訪れ道路は大渋滞、脱衣所の籠は足りず、足の踏み場も無い状態だったそうだ。

そんな小町湯温泉も設備の老朽化やお客さんの減少により、2021年12月24日、惜しまれつつ廃業となったのである。

更衣室の壁には、河本家が経営していた三〼河本そば屋(明治42年築)の写真が飾られていた。この三〼河本そば屋、昭和61年(1986年)に解体後に北海道開拓の村に移築されているのを知り、早速、現地を尋ねてみた。

明治18年(1885)、石川県から小樽に移住した河本徳松さんは、三〼上坂で蕎麦の修行をし、後に、小町湯同様、上坂家から店を買い取り、三〼河本そば屋として営業、そして明治42年に新築したのがこの建物である。引き戸を開け玄関の暖簾を潜ると大きな調理場があり、その奥には座敷、二階には宴会場といったそば屋というより料亭のような立派な店構えである。

Open Panorama

当時、この辺りは小樽の中心地で食事や宴会場として多くの人びとに利用されていたようだ、また、近くには遊郭もあり、そこから多くの出前があったそうだ。

建物保全のため?立ち入り禁止エリアの看板が多く、ちょっと心残りな見学ではあったが、厨房に並んだ多くのざるや出前用の岡持ち、井戸の手押しポンプ、そばを茹でる大きな釜..耳をすますと当時の喧騒が今にも聞こえてきそうな、そんな感覚を覚えた。

Open Panorama

追記:番台からの眺め(2022年5月26日)
昨年末にお邪魔した際、忘れ物をしていて放置状態であったが、やっと取りに伺うことが出来た。前回、番台からの眺めを撮り残して後悔していたのだがお願いして追加撮影をさせて頂いた。店主河本さんは前回同様、快く了解してくれ、おまけに帰り際、缶ジュースと「三マス川本小町湯温泉」文字入り記念ボールペンまで頂いてしまった、有難うございました!

[小樽 小町湯温泉]
場所:北海道小樽市信香町11−4
撮影:2021年10月28日
機材:Canon EOS R + EF8-15mm F4 L Fisheye@15mm + Nodal Ninja 4
アプリ:Lightroom, Photo Shop, PTGui Pro

[三〼河本そば屋]
場所:札幌市厚別区厚別町小野幌50-1(移築後)
撮影:2021年12月09日
機材:Canon EOS R + EF8-15mm F4 L Fisheye@15mm + Nodal Ninja 4
アプリ:Lightroom, Photo Shop, PTGui Pro
追加撮影(番台からの眺め):Theta Z1 + iPhone 8 Plus(nadir)

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